抄録
アークプラズマ(APD)法によって作製した白金/カーボン(Pt/C)系触媒は、優れた触媒活性を発現する新規固体高分子形燃料電池カソード触媒として注目されている。この触媒における高活性要因に関する新たな情報を得ることを目的として、硬X線光電子分光実験を行い、構造と電子状態を調べた。担体としてグラッシーカーボン(GC)を用いた Pt/C 系触媒に対して C 1s と Pt 3d スペクトルを収集して電子構造を解析し、APD 条件/担持条件の違いが及ぼす影響を検討した。C 1s スペクトルの成分分析により、APD 法による触媒担持プロセスにおいて、GC 担体の一部が、ダイヤモンド構造への変形を示唆する結果を得た。また、Pt 3d のピークが高結合エネルギー側に位置することを確認し、担体と Pt が強く結合している可能性を見出した。APD 法による構造変化を伴う強固な Pt-C 触媒担体相互作用が、高活性要因の一つと考えられる。