抄録
糖尿病腎では、高血糖はグルコース代謝過程における活性酸素種 (Reactive Oxygen Species) の過剰産生を引き起こす。ROS 除去に働く抗酸化物質は糖尿病治療薬として期待されているが、現在までの多くの臨床成績は否定的である。Metallothionein (MT) は、金属結合蛋白の特性とシステイン残基を 30% 程度有することから、抗酸化物質としての役割が報告されている。本研究では、X線吸収イメージングを用いて、MT-3 トランスジェニックマウス (MT3TG) の腎内血管構築実質とともに、血管造影剤を用いた in vivo イメージングによる腎臓濾過機能評価法の確立を試みた。その結果、糸球体濾過機能の規定因子としての心拍出能の可能性が明らかとなった。