抄録
車載用リチウムイオン実電池(LIB)のサイクル時の劣化要因として、高い電流レートにおける電池内部の温度上昇、リチウムイオンの正負極間移動にともなう電極の膨張・収縮による応力などが指摘されている。そこで、小型のLIB内部における温度・応力分布を同時に評価する手法を検討した。その結果、高レートな繰り返し充放電による温度上昇(25℃ 以上)で軸方向に発生した引張方向の応力変化(31 MPa)が測定できた。一方、解析した内部温度が表面温度より低いことから解析手法に課題があることが判明し、半径方向に発生する応力を考慮する必要性が示唆された。