抄録
我々は、BL40B2 ビームラインにおいてX線小角散乱装置の小角分解能向上を行った。そのために長さ 10 m の実験ハッチ内に新たに真空パスを設置し、試料から2次元検出器までの距離でおよそ 8 m の小角X線回折装置を設定した。バックグラウンドの低減が必要になったので試料上流のX線透過窓としてカプトンと窒化シリコンの2種類について検討を行った。このうちの窒化シリコンを用いた計測システムにおいて、フィルムを用いた試験測定を行った。これらの結果、6.5 keV のX線エネルギーを用いたとき
Q = 0.007 nm-1 まで小角分解能が向上したことを確認した。