我々はグラフェンのチャネル材料としての高いポテンシャルに着目し、次世代 CMOS チャネル候補として大面積基板上での成長技術や FET トランジスタ作製プロセス開発を行ってきた。銅などの金属触媒上に CVD 合成したグラフェンのドメイン構造を 1 nm 前後の比較的長い平均自由行程を有する軟X線を用いた PEEM により観測し、光電子顕微鏡像からグラフェン層数やドメイン形状などの構造に関する情報を得たのち、各ドメインや任意の場所ごとのグラフェンと触媒金属に由来する局所領域吸収スペクトル及び電子線回折を実施した。その結果、今回新たに最適化を実施した島状グラフェンが、シングルドメインの単層グラフェンであることが明らかとなり、島状グラフェンが合成した触媒の状態とその他の場所について金属状態の違いを確認することができた。