日本包装学会誌
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紙系包装材料としてのバガスパルプの LCI 分析
中島 庸佑 守屋 浩門屋 卓
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2012 年 21 巻 1 号 p. 39-51

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抄録
各種容器・包装のカーボンフットプリントを求めるにあたって、主要な包装材料であるセル ロース繊維系材料の CO 2 吸収・排出量を把握することが必要になってくる。そこで本研究では、セルロース繊維系包装材料という観点から、2つの製紙原料、すなわちバガスパルプとユーカリパルプの LCI 分析を行なった。 バガスは、熱帯および亜熱帯地域で栽培されたサトウキビから砂糖を採取した後の残渣で、地 球温暖化防止に対応した 21 世紀のセルロース繊維系資源として注目されている。2003 年よりタイでは、製糖工場に隣接して 100,000Bdmt (Bone dry metric ton)/年のバガスパルプ工場が生産を開始し、さらにバガスパルプを用いた食品用パルプモールド工場などが稼動し、わが国にも輸出されている。一方、以前より輸入製紙原料の一つとして、西オーストラリアで植林されているユーカリ材のチップがわが国に輸入され、製紙用パルプとして大量に用いられている。両者のパルプ 生産量を 100,000 Bdmt/年として、5つの工程(パルプ生産に必要な植物資源の生産、植生による吸放出、パルプ工場への原料輸送, パルプ製造工程、中間製品の現地から日本へ輸送)について、 CO2 排出量を LCI 分析した。その結果、CO 2 放出量はバガスパルプでは 165,209tCO 2 年に対し、ユーカリパルプでは 185,216tCO 2 /年となった。また、CO 2 吸収量はバガスパルプでは 367,500tCO 2 /年に対しユーカリパルプでは 294,548tCO 2 /年となった。これらの結果から、バガスパルプの利用による温室効果ガス削減の可能性が示された。
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© 2012 日本包装学会
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