抄録
木材および紙製包装材中のカビ臭原因物質(2,4,6-Trichloroanisole:TCA)およびその前駆体(2,4,6-Trichlorophenol:TCP)の同時定量法を質量分析装置を用い確立した。定量限界はそれぞれ3.3、4.6μg/kgであり、繰り返しの標準偏差%は共に3.5%であった。
また本法を用いてTCA数年前に行われた木製パレットおよび段ボール中のTCA、TCP定量結果と近年の定量結果を比較検討した。近年の傾向としては、TCAの検出率はパレット段ボール共に増加しており、TCPの検出率はパレットについては減少してきているが、段ボールについてはほぼ横ばいである。