抄録
オゾン添加活性汚泥法では,汚泥の性状改善とともに汚泥発生量削減が特に注目されているが,一方でオゾンの酸化力により汚泥の液化と同時に,実下廃水中に含有される難分解性物質(EDCs)や生物活性を阻害する物質(フェノール)の酸化分解も期待される.オゾン添加により,これまで注目されてきた余剰汚泥減容効果,沈降性改善効果に加え,処理水質の向上と生物活性阻害の低減効果も図れると考え,その可能性について実験により調査すると共に,オゾン添加時の汚泥減容と阻害性物質除去の比率等の反応動力学について検討した.オゾン添加活性汚泥法は,生物活性阻害性物質除去と生物活性(硝化活性)維持の観点からも,従来法よりも優れていることが分かった.発生汚泥量削減の観点から開発されたオゾン添加活性汚泥法であるが,処理の安定性向上及び微量汚染物質除去の観点からも利点があることを明らかにした.