保健医療福祉科学
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短報
手指への指圧によるリラクゼーション効果の検討
田村 幸恵鈴木 玲子
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2014 年 3 巻 p. 39-45

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抄録

 本研究は、手指への指圧がリラクゼーション効果をもたらすかを明らかにすることが目的である。被験者は20~30代の健康な成人女性で、10分間の安静後に、左右の手指から上腕部に10分間の指圧を実施した。実施前後に気分プロフィール調査(POMS短縮版)を実施し、安静時から指圧介入15分後までの両下肢表面温度と心拍数を測定し、表面温度と心拍数の時間的変化をDunnett法による分散分析、POMS得点は対応のあるt検定でそれぞれ比較した。

 その結果、測定ポイントの表面温度は、指圧実施の直後に低下したが、その後は末梢部位以外で徐々に上昇がみられた。心拍数は指圧実施直後から10分後まで低下し、POMSは「T-A(緊張-不安)」「D(抑うつ-落込み)」「F(疲労)」「C(混乱)」の4つの尺度で指圧後に低下が見られ(p<0.05)、リラクゼーション効果を示していた。

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© 2014 埼玉県立大学保健医療福祉科学学会
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