2022 年 13 巻 1 号 p. 13_25-13_29
BCPは災害拠点病院に策定が義務づけられているが,地震などの災害を対象としたものであり,感染症では対応が異なる。コロナ禍において当院では感染症専門医,認定看護師を中心とした感染制御部が指揮を執り感染対策を講じてきた。人口33万人の医療圏の基幹病院であり唯一の三次救急病院でもあるため,コロナ診療も救急医療も継続しなければならない。
時間の経過と共にコロナに関する情報,認識,資源,環境が変わる中で,リハビリテーション科は繰り返し対策を検討してきた。先にBCPがあったわけでは無く,試行錯誤の結果をBCPとしてまとめたものを報告する。
当院の理学療法は疾患別チームで診療していたが,コロナ禍では人員配置を変更しICUでは腹臥位療法を中心に実施している。PCR陽性患者以外は標準予防策としてサージカルマスクと手指消毒のみで対応しており今日まで院内クラスターは発生していない。
当院の取り組みがBCPの検討材料になれば幸いである。