2022 年 13 巻 1 号 p. 13_63-13_67
【目的】即時的に可動域を改善するために,主観的伸張感で実施時間を設定(主観法)した静的ストレッチング(ストレッチ)を実施する場合,何セットが有効であるかを明らかにすること。【方法】対象は健常成人26名とし,ストレッチ課題は,ハムストリングスのストレッチとした。主観的にハムストリングスが伸びたと感じるまでを1セットのストレッチ時間とし,4セット実施した。効果検証は,膝関節他動伸展角度(Knee extension angle:KEA)とし,ストレッチ前後に測定した。対応のある一元配置分散分析および多重比較検定により,KEAをセット間で比較検討した。【結果】ストレッチ前,第1セット後,第2セット後,第3セット後の間に有意なKEA差を認めた(p<0.01)。また,第3セット,第4セット間に有意なKEA差を認めなかった。【考察】主観法によるストレッチにより十分な効果を得るためには,3セットが有効であることが明らかになった。