2011 年 2 巻 1 号 p. 2_37-2_40
歩行に困難を感じているHoehn & Yahr stage(H&Y)Ⅰの軽症パーキンソン病患者1名に対して運動療法を行い,歩行機能,歩行に関する主観的評価,立位姿勢の変化について検討した。運動療法は下肢筋および体幹筋のストレッチング,日常生活指導,トレッドミル後進歩行とし,週1回の頻度で10週間実施した。介入前と介入10週間後を比べた場合,快適歩行速度は1.3倍,最大歩行速度は1.2倍となった。歩行率は快適歩行時1.1倍,最大歩行時は変化がなかった。重複歩距離は快適歩行時,最大歩行時とも1.2倍となった。立位姿勢は介入前後で頭頚部前屈角や体幹伸展角が増大した。歩行に関する主観的評価は下肢症状の改善を認める発言が得られ,生活面では外出頻度が増えた。H&YⅠの軽症パーキンソン病患者に対する定期的な運動療法介入は歩行機能や立位姿勢,歩行および生活における自覚的な困難感の改善に対して有効に作用する可能性が考えられた。