社会情報学
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研究
年齢,性別とパーソナリティによる絵文字利用の個人差:10代と20代のSimeji利用者に対するアンケート調査から
劉 沫妤
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2023 年 11 巻 3 号 p. 53-69

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抄録

絵文字が日々のデジタルコミュニケーションに浸透している一方で,絵文字の利用行動と個人差に対する理解が不足し,利用傾向の異なるユーザー同士で,意思疎通の行き違いが多発している。そうした中で,本研究は10代と20代の若年層を対象に,年齢,性別とパーソナリティの三要素から,絵文字利用頻度と利用種類の個人差を探究した。本研究では,Simejiでウェブアンケートを実施し,男女1289名の回答についてUnicodeに従い分析を行った結果,(1)20代は10代より絵文字の利用頻度が高く,「face-hand」と「event」カテゴリーの絵文字を多用する傾向にある。(2)女性は男性より絵文字を頻繁に利用し,「emotion」カテゴリーの絵文字を好む傾向がある。(3)外向性,開放性と情緒不安性の得点が高いほど,絵文字を頻繁に使う。また,情緒不安性,誠実性,外向性,開放性とよく使う絵文字のカテゴリーが関係していることが分かった。一連の結果は,若年層における絵文字利用の多様性と,利用行動および個人特性との関連を示唆している。

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© 2023 一般社団法人 社会情報学会
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