社会情報学
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原著論文
戦後日本のニュースルームにおける整理記者のルーチンの歴史的変化と文脈:日本新聞協会発行の業界誌を手がかりに
木下 浩一
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2024 年 13 巻 1 号 p. 19-35

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抄録

本研究は,戦後日本の大手新聞社に属した整理記者を事例に,ニュースルームにおけるルーチンの歴史的変化と,その文脈を明らかにすることである。

1960年代から90年代にかけて,ニュースルームの機械化やコンピューター化が進み,整理記者が行なっていた職務の多くが,出稿記者に移された。整理記者は編集に特化するようになったが,コンピューター化が普及すると,編集も出稿記者に移転された。整理記者はニュースルーム内のゲートキーピングに大きな影響力を有していたが,その影響力は限定的となった。

抽出された文脈は,以下の3つである。

1)合理化:テクノロジー導入の背景には常に合理化があり,不変であった。合理化にはマルチスキル化が必要であり,ニュースルームの職務は出稿記者に一元化された。

2)全国化:合理化と並列的な要因となっていたのは全国化であった。全国化とは,全国レベルでの紙面の共通化であり,編集の東京一極集中であった。

3)労働組合:職能ごとの待遇差を認めない日本の労働組合の姿勢は,記者のマルチスキル化と職能の平準化に繋がった。ニュースルームにおけるゲートキーピングは,かつて出稿記者と整理記者の二元的であったが,機械化・合理化を経て出稿記者に集中し,一元的となった。以上3つの文脈を背景に,整理記者のゲートキーピング機能は低下した。

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