社会情報学
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研究
テキスト・ビッグデータの分析における意味をめぐる理論モデルの研究
今江 崇
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2015 年 4 巻 1 号 p. 57-72

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抄録

近年, 製品開発やマーケティングの分野では, 製品やサービスの使用体験を通じてユーザが見出す「意味」の重要性が指摘されるとともに, その意味を定量的に評価する手法の開発が試みられている。その背景としてWeb2.0やCGMといったインターネットメディアの展開と, ユーザの言葉が含まれるテキストデータを大量に収集, 解析する技術の高度化がある。ユーザが発信したテキストを大規模に収集した「ビッグデータ」を解析することで, ある製品やサービスに対するユーザの評価を定量的に検証することも試みられている。

この際, 主観的な事柄とされるユーザにとっての意味を統計解析によって定量的に扱うことが課題となる。ここで意味をどのように定義するのか検討の余地がある。本研究ではテキストから定量的に抽出しうる意味についての理論モデルを検討する。まず意味を「語の置きかえ」と規定する言語をめぐる思想を参照する。その上で語の置きかえとしての意味の生成を, 象徴を生み信号として安定させるプロセスと捉えうることを論じ, テキストから定量的に検出しうる意味をめぐる理論モデルの構築を試みる。

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© 2015 一般社団法人 社会情報学会
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