抄録
本稿ではマルチモデル推測に基づいて,組合せソフトウェア信頼性モデルにおける候補モデルの重みを決定する問題について考察する.この問題は約30 年間ソフトウェア信頼性研究において積み残されてきた課題であり,これまでに理論的に妥当な方法が確立されていなかった.ここでは,赤池ウェイトと呼ばれる統計量を用いて,情報理論的かつ頻度論的観点から,複数の候補モデルを平均化することでソフトウェア信頼性の予測精度の向上を試みる.実際のバグ検出データに基づいた数値例において,通常の赤池情報量基準(AIC) を最小にする単一モデルを用いて予測するよりも,組合せソフトウェア信頼性モデルを適用する方が安定した予測性能を与えることが示される.