2021 年 6 巻 p. 1-4
宇宙太陽発電衛星の輸送を行うには膨大な推進剤が必要になるため,生産量の限られるキセノンを電気推進の推進剤として用いることは現実的ではない.キセノンに替わる推進剤として常温常圧で固体である昇華性物質を用いればタンク質量の削減が可能で輸送コストを低減できる.また,昇華性物質は分子量が高いことが多く,イオンエンジンの推力密度を上げ小型化することもできる.常温でも十分な昇華圧を持つアダマンタンを用いたイオンエンジンの作動試験を行い,アルゴンとの性能比較を行った結果を報告する.