科学・技術研究
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原著
東日本大震災被災後の保存修理工事に向けた旧米沢高等工業学校本館展示品のデータベース化
小林 卓巨伊藤 智博立花 和宏奥山 澄雄仁科 辰夫鈴木 利雄山崎 洋一郎
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2014 年 3 巻 1 号 p. 73-80

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抄録
全ての工業製品は文化財になりえる。使命を終えた工業製品を個人が保存すれば場所や維持費で個人が損をし、捨てれば文化財は失われ社会全体が損をする。このような個人と全体の相反するジレンマに直面したとき、法律が生まれ行政が求められ、博物館ができ学校ができる。1910年に設立されて以来、百余年の歴史を持つ山形大学工学部には重要文化財に指定された旧米沢高等工業学校本館の校舎があり、その中には多くの使命を終えた工業製品が文化財として展示されていた。しかし2011年の東日本大震災で被災した校舎を補修工事するにあたり、すでに法人化され独立採算を求められていた山形大学にとってその展示品の維持管理は大きな課題であった。筆者らは時代とともに発展したIT技術を活用してデータベースシステムを構築し、山形大学工学部に在席する学生が自らの学びのために現場で文化財保護活動に取り組むことで、短期間で展示品のデータベース化と管理台帳の作成を実現した。
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© 2014 科学・技術研究会

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