科学・技術研究
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原著
LiSB電流遮断後の電解液の濃度変化と電位変化
仁科 辰夫伊藤 智博立花 和宏川平 孝雄
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2014 年 3 巻 2 号 p. 137-144

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抄録
リチウム二次電池は電気自動車用電源として最有力であるが、その寿命評価やバッテリーマネージメントシステム(BMS)では、電池残容量や容量劣化の程度を知るために、電池の過電圧成分の分析が行われる。矢田等はこの目的のために電流休止法を提案しており、定電流充放電時の電流遮断に伴う過電圧変化を測定するものだが、時間に依存して変化する成分を過渡応答として表現する関数を提示していない。本稿では、この電流遮断時の過電圧過渡応答を表現する関数を電解液中のイオンの拡散と泳動を考慮して導出した。また、導出した関数を実際の電池の電流遮断時の応答に適用し、数10秒の時定数を有する電解液部の濃度緩和と数100秒の時定数の活物質由来の2時定数系で高精度に表現できることがわかった。
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