抄録
植物生体電位は植物から発信される有力な情報といえる。この生体電位と環境要因や成長率などとの関係が明らかになれば応用範囲が広く人間社会に大きな貢献となる。特に野菜工場へ応用することができれば生産管理にも応用でき、高効率で安全・安心な野菜生産が可能となる。本研究においては、野菜工場における主環境要因の一つである照射光周波数と生体電位との関係を調べた。養分としてガス状エチルアルコールを採用し、その雰囲気に対する浄化能力について調べた。被験植物は代表的な果菜類であるナスを採用した。結果として、様々な周波数の混合光である白色光下における生体電位が大きく浄化能力も高いことが明らかとなった。本実験の浄化能力は、ナスの当該ガスの摂取・分解能と考えられる。酸化スズ系ガスセンサを用いて実験容器内の濃度変化を調べることにより被験植物の浄化能力特性を導出した。ガスセンサ出力が、ナスのエチルアルコール吸収・分解ととともに濃度が減少する。その特性のピーク値を半値幅で除することにより浄化能力を導出した。