科学・技術研究
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原著
パルス燃焼噴霧熱分解法により合成したリン酸鉄リチウムナノ粒子の電池特性
古川 安彦荻原 隆
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2016 年 5 巻 1 号 p. 47-52

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抄録
パルス燃焼噴霧熱分解法により炭素を複合化したリン酸鉄リチウム(LFP/C)ナノ粒子を合成した。SEM観察からLFP/C粒子は、球状、楕円状、不規則形状などが含まれていた。粒度分布測定により求めたLFP/Cナノ粒子の粒径は50 nmであった。ICP分析によるLFPの化学組成は、出発溶液の組成とほぼ一致していた。熱処理後のXRDからはLFP/Cの結晶構造は、空間群Pnmaのオリビン構造であった。DTGから求めたLPF/Cナノ粒子の炭素含有量は出発溶液濃度と良く一致していた。LFP/Cを正極活物質とした2032コインセルを作製し、2.5 V~4.3 Vの範囲で充放電試験を行った。1C充放電によるLFP/Cの放電容量および500サイクル後の容量維持率はそれぞれ170 mAh/gおよび93 %であった。充放電レートの増加に伴いLFP/Cの放電容量および容量維持率は減少し、30 Cではそれぞれ95 mAh/gおよび85 %であった。50 ℃のとき、LFP/Cの放電容量は30 Cで100 mAh/gを示し、100サイクル後の容量維持率は89 %であった。
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