科学・技術研究
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原著
無彩色透明視の「清澄感/濁り感」に対する輝度要因の寄与
河合 幸子大谷 芳夫
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2016 年 5 巻 2 号 p. 209-216

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抄録
Tsirlin et al.は、透明視のうち「清澄感」を伴うものをGlass-transparency、「濁り感」を伴うものをTranslucencyと呼んでいる。本研究では、無彩色重なり図形を用いて、これら2種類の見えが、透明視面の重なり部分・非重なり部分、及び背景の輝度条件にどのように依存するかを検討した。実験では、3つの背景条件(白・黒・淡灰背景)毎に重なり部分の輝度(実験1)、および非重なり部分の輝度(実験2)を変化させ、被験者に「非常に澄んでいる」から「非常に濁っている」までの範囲で評価を求めた。その結果、実験2の淡灰背景条件以外では、重なり部分と非重なり部分との輝度差分が大きいほど、そして、非重なり部分と背景との輝度差分が小さいほど、「濁り感」が減少し「清澄感」が増すことが示された。これらの結果は、2つの輝度差分の比、および背景輝度により統一的に記述可能であることが示唆された。
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© 2016 科学・技術研究会

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