聖マリアンナ医科大学雑誌
Online ISSN : 2189-0285
Print ISSN : 0387-2289
ISSN-L : 0387-2289
症例報告
術前精査で偶然発見された進行胃癌と消化管間質腫瘍が併存した1例
岸 龍一野田 顕義嶋田 仁湊 栄治嶋田 久大坪 毅人
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 44 巻 4 号 p. 231-239

詳細
抄録

症例は,80歳代の男性。左総腸骨動脈の閉塞性動脈硬化症に対して島田総合病院心臓外科で精査中,CT検査で胃内に腫瘤性病変を認めたため当科紹介。触診上,明らかな腫瘤は触知せず。精査の結果,胃前庭部大彎側の進行胃癌,胃角部大彎側の胃粘膜下腫瘍と診断。2病変とも切離範囲内であったため,開腹幽門側胃切除術,D2郭清,Billroth-I法を施行。術後病理学的検査結果より,胃癌(pT3N0M0,fStage IIA),胃原発GIST (Fletcher分類:低リスク) と診断された。胃癌と消化管間質腫瘍の合併頻度は稀であり,本邦では30症例の症例報告があるに過ぎない。今回,CT検査で指摘された胃癌と胃原発GISTが併存した1例を経験したため,文献的考察を含めて報告する。

著者関連情報
© 2017 聖マリアンナ医科大学医学会
前の記事
feedback
Top