2022 年 50 巻 2 号 p. 55-59
近年,ジャーナルのオープンアクセス化が進んでいるが,それとともに悪質な「はげたかジャーナル」が増加している。何よりも問題なのは,その悪質なジャーナルに投稿し,アクセプトされた論文を業績としてカウントする研究者が増えていることである。どこの大学でも,特に医学系大学では論文執筆することが求められている。1年に1本と目標はたてても,容易に書けるものではなく,書き上がったものを投稿したらすぐにアクセプトされるわけでもない。そこで「はげたかジャーナル」に頼る研究者が増えているのだろう。「はげたかジャーナル」が悪質で,投稿してはいけないと注意喚起は多数出ているが,その正体はどのようなものなのかを具体的に示したものはない。
本稿では,実際に「はげたかジャーナル」に投稿したらどうなるのかを検証した。これを読んで,今後,危険なジャーナルに論文投稿しないようにして欲しい。