聖マリアンナ医科大学雑誌
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新型コロナウイルス感染症に罹患した血液透析患者および腹膜透析患者への対応
櫻田 勉 小島 茂樹櫻井 絵里香田中 明子柴垣 有吾
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2024 年 51 巻 Suppl 号 p. S123-S128

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抄録

血液透析患者は週3回透析施設への通院が必要となるため,緊急事態宣言下においても隔離生活を送ることが出来ない。また,透析患者の多くは高齢者であり,併存疾患のため複数の医療機関や介護施設へ行き来している。さらに,透析患者は送迎を要する高齢者も多く,送迎車内で感染する可能性もあり,大人数が長時間同一空間で治療が行われるため感染リスクの高い集団である。実際,本邦において新型コロナウイルス感染症(Coronavirus disease 2019:COVID-19)による透析患者の集団感染事例がいくつか報告されている1-3)。透析患者は免疫力が低下しており,一旦感染すると重症化するリスクが高いため,管理する施設において感染対策を十分に講じなければならない。

今回,これまで当院で行ってきたCOVID-19に罹患した血液透析および腹膜透析患者への対応について解説する。

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© 2024 聖マリアンナ医科大学医学会
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