聖マリアンナ医科大学雑誌
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総説
新型コロナウイルス感染症に対する検査と感染対策について
―感染制御部の取り組み
竹村 弘 中谷 佳子
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2024 年 51 巻 Suppl 号 p. S33-S42

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抄録

2019年12月,中華人民共和国湖北省武漢市で,「原因不明のウイルス性肺炎」として新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の最初の症例が確認され,翌2020年1月には日本を含む世界中の国と地域から患者が報告された。周知のように,その後我々人類は坂を転げ落ちるように未曾有のパンデミックへの道を歩むことになり,当院でも多数の患者を受け入れ,様々な感染対策に多大な労力と時間を使うこととなった。2023年5月世界保健機関(World Health Organization:WHO)は「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(Public Health Emergency of International Concern: PHEIC)」の終了を決めた。わが国でも2023年5月8日より感染症法上の類型が5類定点報告になった。感染症例の全数報告が無くなり,様々な規制が緩和され,パンデミックは一段落したかのように思われている。しかしSARS-CoV-2の感染性や病原性は特に弱まったわけではなく,医療の現場では今後もまだ数年間は現在と同様の対応をせざるを得ないと思われる。本稿ではこの約3年間に感染制御部が取り組んできたCOVID-19の感染対策について,検査と二次感染予防という視点で総括する。

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