聖マリアンナ医科大学雑誌
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解説
当院における重症COVID-19 患者へのリハビリテーション
堅田 紘頌 横山 仁志渡邉 陽介中田 秀一韮澤 光太郎佐々木 信幸
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2024 年 51 巻 Suppl 号 p. S69-S76

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抄録

ICUでの管理が必要となる重症患者は,その後の経過に大きな影響を及ぼす集中治療後症候群(PICS)を高率に発症する特性がある。このPICSの改善にリハビリテーションが大きな役割を担っていることから近年,ICUにおけるリハビリテーションは非常に注目を集めている。ICUで管理が必要となる重症患者におけるリハビリテーションの必要性を認識していた我々は,ICUに専従理学療法士を配置し,ICU患者に対して積極的なリハビリテーションを行ってきた。このような診療体制を比較的早期から実施してきたことにより,COVID-19の感染拡大が日本全国に広がる以前から入院管理が必要となったダイヤモンド・プリンセス号のクラスター感染患者に対するリハビリテーションを行うことができ,今日に至るまで数多くの重症COVID-19患者への診療に携わってきた。重症COVID-19患者は,他のICU患者と比較して,PICSのリスクファクターをより多く有しており,発症・重症化率が高い傾向にあるため,リハビリテーション実施による機能改善の獲得に非常に難渋する。ここでは,ICUにおけるリハビリテーションの概要に触れた後に当院で実施した重症COVID-19に対するリハビリテーションの実際やポイントなどについて記述する。

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© 2024 聖マリアンナ医科大学医学会
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