口腔・咽頭科
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総 説
上咽頭炎の診断方法と治療: 細胞診による病態の把握
杉田 麟也
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2010 年 23 巻 1 号 p. 23-35

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抄録

上咽頭炎は多彩な症状を呈するが診断が難かしい. 従来は上咽頭に触った時の痛みの有無, 出血の有無で診断した. 著者は最初に耳下頸部を触診し圧痛及び硬結感の有無で病変の有無を推測し内視鏡検査, 接触痛, 接触出血の有無により上咽頭炎を診断する事を提案した. 治療は1%塩化亜鉛溶液塗布, ベタメタゾン1.5mg (分2) 4日間が種々の症状軽減に有効である. 咽頭痛が主訴の患者の約90%は責任部位が上咽頭であった. 上咽頭炎検出菌は70%が常在細菌であり, 主な検出菌はインフルエンザ菌, カタル球菌であった.

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© 2010 日本口腔・咽頭科学会
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