口腔・咽頭科
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原 著
術中透視下に摘出した舌迷入異物の 1 例
生島 寛享鈴木 貴博日高 浩史角田 梨紗子小倉 正樹
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2017 年 30 巻 1 号 p. 61-66

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抄録

 舌異物は比較的まれな症例で, 舌内に迷入した場合は視診での診断が困難で, 指標となる構造物もない為, 刺入の有無の判断や部位の特定に工夫を要する. 今回舌筋層内に迷入した針金異物症例を経験した.
 症例は 70 歳女性で, コロッケを摂食後, 舌痛・右顎下部痛を自覚した. 近医耳鼻科で CT を撮影したところ口腔内に高吸収域を認めた. 経口的に摘出を試みたが困難であったため当科紹介となった. 開口条件での CT で舌内に線状の異物を認めたため, 麻酔科に手術を行った. 術中には透視撮影を施行し, 指標を用いて異物の存在位置を確認しながら摘出した.
 本症例は舌筋層内に針金が迷入したまれな症例で, 摘出には透視撮影が有効であった.

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© 2017 日本口腔・咽頭科学会
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