口腔・咽頭科
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原 著
OSA の軟口蓋部と舌根部の狭窄に対する併用手術の治療効果の検討
北村 剛一矢富 正徳服部 和裕岡吉 洋平塚原 清彰
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2017 年 30 巻 2 号 p. 215-220

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抄録

 閉塞性睡眠時無呼吸症 (OSA) に対する治療は, 経鼻的持続陽圧呼吸療法 (NCPAP) が一般的ではあるが, 海外では積極的に外科的治療が行われている. OSA の狭窄部位は 1 ヵ所とは限らず複数の部位が狭窄している場合も少なくない. 今回我々は, 軟口蓋部と舌根部の狭窄に対し UPPP と舌扁桃切除術の併用手術を施行し, その治療効果と合併症につき検討したので報告する. 対象は, 2012~2016年までに併用手術を行った19例である. 評価項目は, ESS, AHI, 睡眠構築, 術後の合併症である. 術前に比べ術後の ESS, AHI および睡眠効率, REM, Stage 1, Stage 2 は有意に改善した. 術後合併症では, 術直後は, 喉頭蓋腫脹と咽頭違和感が多かった. 術後 1ヵ月後には19例中 4例で味覚障害を訴える症例がみられた. 複数部位の狭窄に対する併用手術も OSA の治療の選択肢の一つであると思われるが, 術後合併症のリスクなどを考慮の上, 手術を行うのが望ましいと思われた.

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© 2017 日本口腔・咽頭科学会
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