口腔・咽頭科
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総説
IgG4関連疾患:内科の立場から
正木 康史
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2018 年 31 巻 1 号 p. 77-81

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抄録

IgG4関連疾患は21世紀に入り本邦より発信された原因不明のリンパ増殖性疾患で,IgG4産生形質細胞が全身諸臓器で腫瘤性病変を形成し,高IgG4血症を呈する.IgG4関連疾患は初期には中等量ステロイド治療が著効する.しかしながら多くの鑑別疾患でも,高IgG4血症や組織中IgG4陽性形質細胞増多を認めることがあり注意を要する.治療は副腎皮質ステロイドprednisolone中等量内服より開始,慎重に漸減し,症状や臨床データの推移をもとに維持量を決定するのが望ましい.本疾患は頭頸部領域に病変を有する症例が多く,内科と耳鼻咽喉科の連携が重要である.

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© 2018 日本口腔・咽頭科学会
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