口腔・咽頭科
Online ISSN : 1884-4316
Print ISSN : 0917-5105
ISSN-L : 0917-5105
総説
IgG4関連疾患と嗅覚障害
中西 清香吉崎 智一
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 32 巻 1 号 p. 11-14

詳細
抄録

IgG4関連疾患は本邦より提唱されて以来,全身多種多様にわたる病態の報告がなされている.耳鼻咽喉科領域では特に,唾液腺炎に関する病態が確立されているが,頭頸部全体でも様々な病態がある.今回我々は嗅覚障害に着目し調査を行ったところ,IgG4関連疾患患者における嗅覚障害は全体の52%に中等度以上の嗅覚障害を認め,健常人よりも多いことが明らかになった.さらに,治療経過で嗅覚障害が改善した症例もあり,可逆的な症状として我々耳鼻咽喉科医師が認識しておくべきものと言える.

著者関連情報
© 2019 日本口腔・咽頭科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top