2019 年 32 巻 1 号 p. 11-14
IgG4関連疾患は本邦より提唱されて以来,全身多種多様にわたる病態の報告がなされている.耳鼻咽喉科領域では特に,唾液腺炎に関する病態が確立されているが,頭頸部全体でも様々な病態がある.今回我々は嗅覚障害に着目し調査を行ったところ,IgG4関連疾患患者における嗅覚障害は全体の52%に中等度以上の嗅覚障害を認め,健常人よりも多いことが明らかになった.さらに,治療経過で嗅覚障害が改善した症例もあり,可逆的な症状として我々耳鼻咽喉科医師が認識しておくべきものと言える.