2020 年 33 巻 2 号 p. 77-82
AIDS/HIV感染症に関連する耳鼻咽喉科領域の症状は多岐に渡り,耳鼻咽喉科にコンサルテーションがある場合も多い.当科に紹介となったAIDS/HIV感染患者80例のうち,12例は耳鼻咽喉科領域の症状がAIDS/HIV感染症の発見の契機となった.その中でも咽頭炎・扁桃炎,口腔カンジダ,頸部リンパ節腫脹が多かったが,特異的な所見はなかった.難治性の咽頭炎・扁桃炎,口腔カンジダ,頸部リンパ節腫脹の場合は,AIDS/HIV感染症も想起し,詳細な問診,検査を行い,早期診断につなげることが重要である.