2002 年 14 巻 3 号 p. 305-311
早期舌癌に対して, high dose rate (HDR)-192Irを用いた小線源放射線治療を施行し, その初期治療経験について文献的考察を含め報告する.
対象は, 早期舌癌16例 (T1: 12例, T2: 4例) で, 頸部リンパ節転移を認めないものを適応とした.総線量は60Gy/10Fr/6Daysを基本とした.
16例全例で腫瘍は消失した.
局所再発は16例中, 3例あり, そのうち2例は死亡した.粗生存率は87.5%であった.
後発頸部リンパ節転移を16例中2例に認め, 後発頸部リンパ節転移の扱いが本治療後の課題であった.局所制御の面から考えると早期舌癌において本治療は有用と思われた.