口腔・咽頭科
Online ISSN : 1884-4316
Print ISSN : 0917-5105
ISSN-L : 0917-5105
小児の睡眠呼吸障害: いびき, 無呼吸
宮崎 総一郎鈴木 賢二西村 忠郎岡本 牧人千葉 伸太郎
著者情報
ジャーナル フリー

2005 年 17 巻 2 号 p. 169-176

詳細
抄録

小児睡眠呼吸障害例の多くは, 不規則な呼吸, 無呼吸, 陥没呼吸を示しいびき主訴に受診する.いびきは睡眠中の呼吸運動に伴って発生する雑音であり, いびきは, 程度の差はあれ上気道狭窄の存在を意味する.小児のいびきの主要原因は鼻閉, 扁桃肥大である.乳幼児では, 上気道断面積, 呼吸予備能が小さく, 解剖学的にも口呼吸が制限されているため, 鼻閉は重大な睡眠呼吸障害をもたらす.小児例では無呼吸を伴わないが, 持続的な低換気状態が持続して睡眠時無呼吸と同様の症候を呈することが多い.いびきの大きさは換気努力と良く相関するので, 無呼吸のみにとらわれず, 高度のいびきは睡眠時呼吸障害として対処する必要がある.

著者関連情報
© 日本口腔・咽頭科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top