口腔・咽頭科
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舌進行癌に対する超選択的動注療法と高線量率組織内照射による治療
本間 明宏福田 諭
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2005 年 17 巻 3 号 p. 379-384

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抄録

舌進行癌新鮮例で手術拒否例4例に対して超選択的動注療法と同時に外照射を行った後に高線量率組織内照射による治療を行った.
1例は4年4ヶ月経過しているが非担癌生存しており, 視診上は舌の萎縮は認めるが, 常食を摂取でき発症前と変わらぬ生活を送っている.原発・頸部は明らかな再発はなかったが, 治療終了後に肺転移が出現し初診から8ヶ月で死亡した例が1例あった.残りの2例については観察期間は短いが, 残存・再発を疑わせる所見はない.
今回, 我々が行った治療は手術を拒否する舌進行癌症例に対しては, 根治を期待できる治療となりうる可能性が示唆された.今後, 慎重に経過を観察し, 晩期合併症も明らかにしていきたい.

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