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森林下層部食痕によるノグチゲラSapheopipo noguchii の生息状況確認
代島 慶一伊澤 雅子石田 健
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ジャーナル オープンアクセス

2015 年 31 巻 p. 97-111

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抄録

ノグチゲラの冬期分布も効率的に把握することを想定し、食痕による生息確認の可能性を探った.15–55年生の照葉樹天然林4方形と壮齢林2地点の10 個の円プロットで,2002 年3 月–11 月の8 ヶ月間,地上高2m までのノグチゲラの食痕を記録した.食痕は主に枯れ木にあり,出現数は40 年生林が最多,20 と55 年生林ではその約半分,15 年生林ではほぼなかった.食痕は3–5 月と9–11 月に多く出現した.小プロットでの追跡観察によると,食痕は,半年– 1年程度以前まで遡って確認できた.ノグチゲラとコゲラの食痕は区別可能と思われた.食痕を用いてノグチゲラの分布や,その地点にいた季節を確認できると考えられた.

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© 2015 公益財団法人 日本野鳥の会
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