抄録
治山施設の個別施設計画とは,インフラの長寿命化を図ることを目的に,個別施設ごとの具体的な対応方針を定めた計画である。林野庁は,各都道府県で管理している治山施設に係る個別施設計画を令和2(2020)年度までに策定することとした。
福島県においても県が管理する治山施設に係る個別施設計画を策定するため,県内21, 788施設のうち計画対象となる計10, 033施設の点検調査を行うこととなった。点検調査を実施した治山施設については,施設ごとの特性を踏まえた上で,機能の低下又はその可能性の有無,部材や材料の劣化状況等に応じて健全度を段階的に評価し,施設の長寿命化を図るための維持管理等について計画を策定した。
本稿は,当県における治山施設の点検方法とその結果,それに基づき機能強化対策が必要と判断された治山施設の対策方法等について整理したものである。