2005 年 71 巻 6 号 p. 923-927
ノリのカキ殻糸状体培養槽で繁殖するソコミジンコの 1 種 Amphiascus sp. によるカキ殻の付着珪藻除去効果を実験培養槽で 6 週間調べた。本種未添加の対照区では付着珪藻量は指数関数的に増え,殻全体が茶色に着色した。本種を添加した実験区ではカキ殻上の本種個体密度は 5.3 個体/cm2 まで増え,付着珪藻量は対照区の約 1/6 に抑えられ,着色はほとんどなかった。糸状体の生長は 6 週目で有意に実験区が良かった。カキ殻糸状体培養槽に本種を添加することで,付着珪藻を取り除くカキ殻洗浄作業の軽減が期待できる。