計量魚群探知機により観察されるキュウリエソの音響散乱層を識別することを目的として,日本海隠岐諸島周辺海域において,従来推奨されてきた方法と季節毎に変化する SV の下限閾値を利用した方法を比較検討した。この結果,信号毎に深度 10 m より海底までのデータの水柱中の最大 SV を抽出し,各最大 SV(体積後方散乱強度)を調査ラインに沿って平均した値から 10 dB 差し引いた値を下限閾値に設定して,散乱層を識別する方法がトロールによるキュウリエソの採集結果と良く一致した。この方法はキュウリエソの集群密度の変化に対応し,散乱層の輪郭を的確に捉えている。