2007 年 73 巻 4 号 p. 711-717
八代海から単離した Cochlodinium polykrikoides の窒素とリンの利用性及び増殖動力学を調べるため,バッチ培養と半連続培養実験を行なった。C. polykrikoides は窒素源として無機態窒素の他に尿素と glycine の有機態窒素を利用することができた。一方,リン源として無機態と有機態リンの両方を利用できた。半連続培養実験から得られた最大増殖速度(μ′m)と最小細胞内含量(Q0)は,それぞれ窒素制限下で 0.48 day-1 と 5.25 pmol cell-1,リン制限下で 0.54 day-1 と 0.37 pmol cell-1 であった。このことから,八代海から単離した C. polykrikoides は増殖競合に有利な生理特性を有していると考えられた。