日本水産学会誌
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メダカビテロジェニンアッセイによる下水高度処理のエストロゲン様物質低減効果の評価
江口 さやか菅原 志穂美中川 加奈子三谷 直子大沼 良子松岡 須美子平井 慈恵山本 義和
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2007 年 73 巻 4 号 p. 726-733

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抄録

下水高度処理がエストロゲン様作用低減に有効かを調べるため,処理水に雄メダカを 2 週間曝露し,血漿・肝臓のビテロジェニン(VTG)濃度と処理水中のエストロゲン濃度を ELISA 法で測定した。活性汚泥処理水曝露区のメダカからは成熟雌に匹敵する VTG 濃度が検出されたが,礫間接触処理水曝露区では定量限界値以下だった。エストロゲン類は,活性汚泥処理だけでは処理不足だったが,礫間接触処理を加えることで,メダカへの最小影響濃度付近にまで低下した。これらのことから礫間接触処理はエストロゲン様作用低減に有効といえる。

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© 2007 公益社団法人 日本水産学会
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