2007 年 73 巻 4 号 p. 726-733
下水高度処理がエストロゲン様作用低減に有効かを調べるため,処理水に雄メダカを 2 週間曝露し,血漿・肝臓のビテロジェニン(VTG)濃度と処理水中のエストロゲン濃度を ELISA 法で測定した。活性汚泥処理水曝露区のメダカからは成熟雌に匹敵する VTG 濃度が検出されたが,礫間接触処理水曝露区では定量限界値以下だった。エストロゲン類は,活性汚泥処理だけでは処理不足だったが,礫間接触処理を加えることで,メダカへの最小影響濃度付近にまで低下した。これらのことから礫間接触処理はエストロゲン様作用低減に有効といえる。