稲田養魚に対する一般意識を知るために,炊飯米の味覚官能試験を実施した。無農薬の実験田にフナ放養区と対照区を設けてコメを栽培した。アミロース,デンプン,タンパク質含有率について,フナ米と対照米の品質に大差はなかった。84 名の被験者を動員して,慣行栽培米を基準に,両試験米の食味を比較した。コメの出自を伏せた試験結果に差異は検出されず,出自を開示するとフナ米が高い評価を得た。食の安全と環境の保全に敏感な消費者は,コメとフナの双方の生産に資する稲田養魚に対して,良好なイメージを抱いていることが推測された。