飼育したカンパチ仔魚の初期減耗要因の一つに想定されている沈降死現象を理解する一助として,仔魚を 10 日齢まで飼育し体密度を測定した。また,通気量が 0.1~2.0 L/分の 500 L 水槽で,仔魚の鉛直分布,生残,成長,摂餌,鰾の開腔状況を調べた。仔魚は負の浮力を示し,0.1~1.0 L/分の水槽では 3 日齢以降の仔魚は昼間は上層に夜間は底に分布した。過度の通気(2.0 L/分)は仔魚を分散させたが,摂餌数は減少し,生残,成長および開腔率は大幅に低下した。物理的影響の少ない仔魚の沈降防止手法の開発が必要である。