2010 年 76 巻 5 号 p. 803-811
漁獲された全長 261~632 mm のトラフグ天然魚と人工種苗放流魚 1,071 個体について,脊椎骨椎体の輪紋観察から雌雄別に年齢と成長を調べた。椎体縁辺部の透明帯の出現割合の経月変化から本種は 5~6 月に年輪が形成されると推定した。これらの標本の年齢は 0~9 歳で,3 歳以降では雌の方が,人工種苗よりも天然魚の成長が速かった。1 歳魚以上で各年齢間の全長に重なりがみられ,全長組成のみの解析から正確に年齢組成を推定することは困難である。そこで年齢組成を推定するための Age-length key を提案する。