日本水産学会誌
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クロミンククジラにおけるクジラヒゲの成長,特に外縁先端部に出現する欠刻について
銭谷 亮子加藤 秀弘
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2010 年 76 巻 5 号 p. 870-876

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抄録

南極海鯨類捕獲調査(JARPA)と商業捕鯨の南極海第IV区で採集された 1,654 個体のクロミンククジラのヒゲ板を用い,ヒゲ板の成長と外縁先端部に出現する V 字形の欠刻について検討した。ヒゲ板長は体長の増加に伴い伸長し,雄は体長 8.0 m 以上で 261.8 mm に,雌は体長 8.5 m 以上で 278.3 mm に達した。欠刻は胎児のヒゲ板には認められなかったが,出生後の体長 5.4 m 以下のヒゲ板全てに認められたことから,欠刻は出生時に形成された可能性が高く,摩耗により体長 6.4 m 付近で完全に消失すると考えられた。

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© 2010 公益社団法人 日本水産学会
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