河川末端に位置する地点の底泥中窒素,リン,有機物含有量は大阪港内外地点よりも 2~3 倍高かった。間隙水中の窒素,リン,有機物濃度も,河川末端の底泥が 9~20 倍高く,拡散フラックス推定値もアンモニウムイオンおよびリン酸イオン共に約 2~10 倍高かった。微生物活性の低下する冬期においてもこれらの潜在的拡散フラックスは高かった。河口域の底泥は浮泥状態で撹乱により巻き上がりやすいために間隙水中の栄養塩類が拡散し易く,浚渫することにより底泥からの溶出による閉鎖的な港内停滞水域への汚濁負荷を低減する効果が高いことが明かとなった。