ブルーギルが群れを形成する習性を本種の駆除手法に利用することを目的とし,同種個体の囮としての誘引効果を伊豆沼と化女沼で検証した。対照群として空の篭と囮のブルーギルを収容した篭を湖岸に設置し,捕獲個体数を比較した。本種の生息密度が低い伊豆沼では,囮を収容した篭で高い捕獲個体数を示した。2 ヶ月間の駆除活動に囮を用いた結果,総捕獲数が 1.86 倍に高まり,この手法の有用性が確かめられた。一方,本種が高密度に生息する化女沼では誘引効果が確認されず,誘引効果が生じる条件に生息密度が関与する可能性が示唆された。