捕食者学習がシロクラベラ人工種苗の被食回避に及ぼす影響を調べた。まず,本種人工種苗に,同じ水槽内で同種他個体がカンモンハタ(捕食者)に捕食される現場を経験させた。続いて,経験個体と未経験個体を捕食者に曝し,捕食者用シェルター周辺(危険エリア)へ侵入した時間並びに被食までの時間を測定したところ,ともに経験個体で有意に長かった。一方,捕食者がいない水槽では,危険エリアへの侵入時間に両者で有意差はなかった。以上から,捕食者学習が本種人工種苗の捕食者への接近を回避させ,被食を軽減させることが示唆された。