日本水産学会誌
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マサバを原料とするへしこ及びなれずしの製造過程における脂質酸化の進行と抗酸化活性の変化
春野(今津) 涼子赤羽 義章大泉 徹
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2011 年 77 巻 4 号 p. 674-681

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抄録

マサバを原料とするへしことなれずしの製造過程における脂質酸化の進行を検討した。20% 加塩したマサバ魚肉を 4 ヶ月間自然環境温度で貯蔵すると,脂質酸化が大きく進行したが,塩漬けマサバを 6 ヶ月間糠漬けしたへしこでは魚肉と米糠中の脂質はほとんど酸化しなかった。一方,4 ヶ月間米飯漬けしたなれずしの魚肉中の脂質酸化の進行は,5% 加塩したマサバ魚肉のそれと同程度だった。へしこ及びなれずしの製造過程における脂質酸化の進行には,魚肉,米糠及び米飯中に含まれる各種抗酸化成分が影響を及ぼすことが示唆された。

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© 2011 公益社団法人 日本水産学会
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